競馬東スポの調教採点分析(2020年12月版)

競馬トウスポ分析

定期的に見て頂いている方がいらっしゃるようなので、2020年版の分析結果を公開したいと思います(2019年の記事はそのうち消します)。2017年10月から継続して調教採点を電子化しております。2019年の台風19号の影響で東スポが通常販売されないトラブルがありましたが東スポ本社に行ったら売ってくれました。

サンプルとして3年分となるので2019年に投稿した分析結果よりも信頼度は上がっていると思います。

※2017年10月から手入力で調教採点を電子化した結果になります

※2020年12月02日までを集計対象としています

調教採点別分析

調教採点 3着内率 付与率 馬券内 馬券外 合計
30.0%011
42.13%0.16%5229234
56.68%16.53%15882218123769
620.29%62.98%183837218490567
737.66%20.00%108341793128765
850.63%0.33%238232470
n=143,806

調教採点の付与割合について

分析結果表の分布率列の値が、付与される割合になります。

調教採点は4~8のほぼ5段階。調教採点6が基準となり、全体の6割強を占めます。

次いで調教採点7が20.00%と全体の2割ジャスト、調教採点5は16.53%と調教採点7よりも付与される割合は少ない傾向です。

調教採点8は0.33%と、付与される確率は非常に低く、馬自身のデキとしては最高の評価の際に付与される担当者渾身の評価なイメージです。

調教採点別の馬券内率について

基準となる3着内率は21.59%となります。これは分析期間内において3着以内に入った馬の数 / 出走馬数です。 1レースは平均15頭立てとイメージ頂ければ。

調教採点4・5

特に新馬・未勝利戦に比較的多く出現する傾向にありますが、調教採点4、5の馬券内確率はそれぞれ2.1%、6.6%と非常に低い値です。

これは逆にこうも考えられ、調教採点4の場合を例としますが、97.9%の確率で3着以内に入線しない。馬券としては切ってよいという判断ができる充分な指標となります。能力的に秀でている馬でも調教採点5以下の馬は本来のデキでは無いと割り切って考える事も出来そうです。

調教採点6

調教採点6は基準値を下回り、平均よりも3着以内に入る確率が低いという結果になりました。

基準値を若干下回りますが、これは誤差の範疇として捉え、考え方の一例ですが、調教採点6が付与された競走馬は調教を加味しなくて良いという考え方が可能ではないでしょうか。その競走馬の適正のみを考えて馬券を組み立てて良いという判断ができます。

調教採点7

調教採点7の3着内確率は37.6%で基準値を大きく上回り、約1/3の確率で3着以内に入線します。

全体としては10頭に2頭が調教採点7が付与され、そのうちの3頭に1頭が3着以内に入線します。グレードレースでは調教採点7が付与される馬は非常に多くなりますので人気を加味した取捨選択が重要です。

調教採点8

調教採点8の3着内確率は50.6%。競馬東スポ誌にて調教採点8が付与される馬はその時点で約半分の確率で3着以内に入線する事が想定されます。

しかし、全体で0.33%しか付与されない事を加味すると、半分の確率で3着以内、逆に半分の確率で馬券に絡まないことをどう捉えるか、判断が難しいところです。

調教採点8が付与された一番人気の馬が馬群に沈む光景を何度か見ています。評判が高い馬に調教採点8が付与される事が多いような意見も聞こえますので、後ほど調教採点毎の平均単勝人気を算出してみます(今度やります・・・)。

コース別3着内率

調教採点芝馬券内率ダート馬券内率全体馬券内率
3
42.06%2.18%2.13%
55.86%7.26%6.68%
619.69%20.86%20.29%
738.11%37.06%37.66%
850.30%51.36%50.63%

調教採点4、5は芝コースの方が3着内率が低い為、芝コースの方が逆に信頼度が高いとなりますが、調教採点8を見るとダートコースの方が信頼度が高い傾向です。ですが、それほど大きな差では無いので誤差の範疇と考えてよさそうです。よってコースでの大きな違いはありません

距離別3着内率

単位:m

1000-12001201-14001401-16001601-18001801-20002001-25002501-3600
3
42.27%3.85%33.33%
56.71%5.46%5.44%7.46%6.39%9.01%8.56%
619.79%18.71%17.73%21.72%21.99%22.07%22.29%
736.03%34.87%38.14%39.68%39.84%37.44%38.78%
843.24%52.27%54.55%54.35%50.98%50.00%

1401m~1800mを中心として調教採点7、8の信頼度が高く、極端な距離の場合(短距離・長距離)に信頼度が下がる傾向が出ています。極端な距離は展開に左右されやすいのでしょうか?特に1200m以下の短距離においては調教採点8は信頼度が低いことに注意が必要です

競馬場別3着内率

札幌
(n=5621)
函館
(n=5217)
福島
(n=10556)
新潟
(n=13030)
東京
(n=24299)
中山
(n=21182)
中京
(n=11997)
京都
(n=21407)
阪神
(n=20724)
小倉
(n=9773)
3
44.00%4.55%1.64%3.33%
58.10%8.20%7.16%7.29%4.38%5.46%6.86%7.20%7.24%6.75%
623.88%21.91%18.68%18.87%17.47%17.91%20.91%23.01%22.78%22.85%
744.59%45.30%38.62%35.90%38.82%39.26%35.03%36.14%35.69%35.05%
837.04%33.33%41.67%28.57%51.79%61.11%58.82%52.99%51.26%40.00%

ローカル開催の調教採点8の信頼度が全般的に低い傾向が出ています。前回の集計時にもこの傾向が出ていましたが、サンプル数が少ないためかと思いましたが、これは恐らくそういう傾向なんだと思われます。札幌、函館、福島、小倉の調教採点8は信頼度が低いです。(サンプル数を記載しておきます)

ポジティブな見方としては中山競馬場の調教採点8の3着内率が61.1%と3頭に2頭が3着以内に入線する事。これは覚えておく価値がありそうです。札幌、函館、福島、小倉については調教採点7と8を同じとみなすと高い信頼度が生まれます。

クラス別3着内率

新馬未勝利1勝クラス2勝クラス3勝クラスオープン
3
42.22%2.00%2.94%
57.52%6.09%7.34%7.70%7.26%3.55%
620.66%21.03%20.92%20.10%18.13%14.88%
744.42%43.91%37.93%33.59%33.63%30.66%
869.57%52.50%46.59%52.27%50.00%49.14%

調教採点7のみを見ると、クラスが高くなるにつれて信頼度が下がる傾向にあります。これはクラスが高くなるにつれて高採点が付与される馬が多くなる為でしょうか。

特筆すべきは「新馬戦」の調教採点8は3頭に2頭が3着以内に入線します。軸としては最適ではないでしょうか。しかしまだ走った事がない新馬の3着内率が未勝利とほぼほぼ変わらなく、調教採点8に関しての3着内率は他のどのクラスよりも高いのはお世辞抜きにすごいと思います。

まとめ

あくまで調教採点である為、馬本来の競争能力は加味されていない点を念頭に置いて下さい。

  • 調教採点は6が基準である
  • 調教採点5以下の出走馬は9割以上の確率で3着以内に入線しない
  • 調教採点7の出走馬は1/3の確率で3着以内に入線する
  • 調教採点8の出走馬は1/2の確率で3着以内に入線する
  • コース(芝・ダ)による信頼度の差は無い
  • 1200m以下の短距離レースの調教採点8の信頼度は他の距離と比べて低い
  • ローカル開催(札幌、函館、福島、小倉)の調教採点8の信頼度は低い
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